「AIって、ここまで授業に入ってきたのか。」――そんな驚きと同時に、 「これなら明日から使えそう」「生徒がやりたがりそう」という声が何度も上がった2時間でした。 今回は説明を聞くだけではありません。触って、失敗して、笑って、改善案まで出す。 そんな“現場発”の研究会になりました。
たのしかったです!!!」
その場で体験
実際に操作
Listening / Reading
フィードバック
改善点を持ち帰る
手書き答案が、その場で採点される。
かきまる!|Writing
最初の体験は「かきまる!」。英作文をテキストで入力するだけでなく、 手書き答案を写真で提出してAIに採点させるところまで、参加者自身で試しました。 採点結果は得点だけでなく、評価基準に沿ったフィードバックとして返ります。
また、「教科書の活動準備や、発表前の原稿添削に使えそう」と、 具体的な授業場面を思い浮かべる参加者もいました。
AIと話す。しかも、返事が速い。
しゃべまる!|Speaking
次は「しゃべまる!」。AIアバターと英語で会話し、 終了後には会話記録と評価・アドバイスがすぐに表示されます。 参加者から特に多かったのが、「返答が速い」「やりっぱなしにならない」という反応でした。
さらに、AIが表情を変えたり、将来的には過去のやりとりを覚えて 「先週の試合、どうだった?」と話しかけたりする構想も紹介しました。 目指しているのは、単なる“音声入力付き問題集”ではなく、関係性を感じられる会話相手です。
その一方で、「ヘッドセットをつけて一人ひとりAIと話すだけになると、個別学習に寄りすぎないか」という重要な指摘も。 AIとの練習と、人間同士で話す時間をどう組み合わせるか。便利さの先にある授業デザインまで議論が広がりました。
リスニング教材が、目の前でできていく。
音シス|Listening
「音シス」では、テーマを決めるとダイアローグを生成し、 話者・アメリカ英語/イギリス英語/インド英語などのアクセント、 速度、ポーズまで調整。授業で使う音声を、その場でつくって聞き比べる体験を行いました。
教師が欲しいのは、単に“音声を作るAI”ではありません。 作った後に配信し、生徒が練習し、結果を確認するところまでつながること。 教材準備の作業そのものを短くするという視点が、このツールの出発点です。
単語練習が、「やらされる」から「もう一回」へ。
よみとも!|Reading & Vocabulary
この日、特に大きな驚きが起きたのが「よみとも!」でした。 長文で出会った単語を、そのまま11種類のゲームで復習できます。 「ゲームの種類がこんなに増えているとは」「生徒が食いつきそう」という声が上がりました。
辞書で意味を確認して終わりではなく、別の文脈で何度も出会う。 そして、反復そのものを「ちょっとやってみたい」体験に変える。 AI教材に必要なのは、正解を出す力だけではなく、学習者をもう一歩動かす仕掛けなのかもしれません。
最後は、教室がゲーム空間になった。
ZEP QUIZ|Metaverse × Quiz
最後はZEP QUIZ。アバターを動かしてマップを歩き、 自分で問題を探して答えていくメタバース型の学習ゲームです。 一斉に同じ問題へ答えるだけではなく、自分で探す・移動する・見つけること自体が学習体験になります。
一方で「色や動きが多いと集中しづらい生徒もいるかもしれない」という意見も。 “楽しい”を一種類に決めつけないことも、学校現場では大切です。
そして、振り返りを読んで
一番考えさせられた一言。
でも、正直、使ってみたいと思うものではありませんでした。」
この言葉が、今回の研究会をいちばんよく物語っているように思います。 学校にはすでに多くのICT教材があります。それでも「あるのに使われない」。 そこには、機能の不足よりも“現場とのズレ”があるのではないでしょうか。
現場を知る人が、課題を出す。
これまでは「こんな技術があるから、こんな教材を作ろう」という順番が少なくありませんでした。 しかし、教室には教室にしか見えない事情があります。 40人を同時に動かすこと。授業時間が限られていること。採点が何百枚もあること。 生徒が飽きる瞬間も、困る瞬間も、先生は毎日見ています。
「先生はいま何に困っているか」から始める。
企業やエンジニアの技術力は不可欠です。ただし、課題設定の起点を教室に戻す。 そして完成品を学校へ持ってくるのではなく、学校と一緒に育てていく。 AIによってアイデアを形にするまでの距離が短くなった今だからこそ、 そんな教材開発ができるのではないかと思っています。
「こんなのがあったらいいのに」を、
次の教材へ。
AI-Mateは、新しいAI教材を紹介するだけの場所ではなく、 現場の先生の課題やアイデアを持ち寄り、実際に触りながら次の授業を考える場でありたいと思っています。
今回の取材で印象に残ったのは、先生方がすぐに「自分の授業ならどう使うか」を考えていたこと。AI教材は、教室の声を聞きながら育っていくものなのだと思いました。